世界自然遺産徳之島と、与論島、沖永良部島。奄美群島の島々の見どころをお届け!

公開日 : 2022年05月13日
最終更新 :
沖永良部島を代表する鍾乳洞、銀水洞
沖永良部島を代表する鍾乳洞、銀水洞

徳之島、沖永良部島、与論島は、奄美大島と沖縄の間に浮かぶ鹿児島県の島々。世界遺産に登録された徳之島をはじめ、真っ白なビーチとヨロンブルーと言われる青い海が美しい与論島、東洋一の鍾乳洞を誇る沖永良部島など、どの島も個性的で魅力的。見どころをダイジェストでお届けします。 Photo:沖永良部島ケイビング協会

世界自然遺産に登録された徳之島

世界自然遺産に登録された徳之島
徳之島の金見集落。国立公園のなかにあり自然ととても近い

2021年7月26日、奄美大島・沖縄本島北部・西表島とともに 世界自然遺産に登録された徳之島。貴重な固有種や、絶滅のおそれのある動植物の生育地としての重要性が認められ、国内で5つ目の自然遺産となりました。

登録の決め手となったのは、該当エリアの生物多様性。日本の国土面積の0.5%未満の小さなエリアに、驚くほどたくさんの固有種が生息しているのです。

アマミノクロウサギは夜行性。ツアーで見に行こう
アマミノクロウサギは夜行性。ツアーで見に行こう

徳之島で世界遺産に登録されているのは、北部の天城岳と中部の井之川岳周辺。このエリアには、徳之島と奄美大島にしか生息しないアマミノクロウサギ、アマミハナサキガエルをはじめ、徳之島にしか生息しないトクノシマトゲネズミなどが生息しています。小さな徳之島では、この豊かな自然と人々の生活の場がとても近く、集落にアマミノクロウサギがひょっこり現れることも稀ではありません。

一方で、その生態系はとても繊細なバランスの上になりたっているので、積極的に保護する必要があります。現在、天城岳の林クビリ線は通行規制が敷かれており、野生動物を観察するには、認定ガイドの同行が必要となっています。ガイドと巡れば、単なる動植物の説明だけでなく、島を取り巻く自然環境や歴史、文化的な背景などさまざまな話が聞けるのでより理解が深まることでしょう。

島をあげて盛り上がりを見せる闘牛大会
島をあげて盛り上がりを見せる闘牛大会

徳之島の伝統文化といえば、なんと言っても闘牛!その歴史は400年以上にもなります。島では闘牛のことを「なくさみ」と呼び、かつては厳しい年貢の取り立てに苦しめられていた島民にとっての唯一の娯楽として愛されていました。現在も年に数回大きな大会が開催され、大会時には島内外から3000名を超えるファンが詰めかけて、熱戦が繰り広げられます。

闘牛のことを知りたければまずは闘牛のことが知りたければ「徳之島なくさみ館」へ。なくさみ館は、島で最大規模を誇る闘牛場で、闘牛に関する資料を展示した「闘牛資料館」も併設され、闘牛について深く知ることができます。

■徳之島なくさみ館(闘牛資料館)
・住所: 伊仙町目手久626
・TEL:  0997-86-2093
・営業時間: 8:30〜17:15
・休み: 不定休
・入場料: 200円

通称「めがね岩」。自然が作り上げたとは思えない造形
通称「めがね岩」。自然が作り上げたとは思えない造形

徳之島は絶景スポットも豊富です。犬の門蓋(いんのじょうふた)は、東シナ海に面する海岸線に広がる断崖・奇岩で、風や雨が長い年月をかけて作り上げた自然の造形に圧倒されます。

迷路のように群生するソテツのトンネル
迷路のように群生するソテツのトンネル

こちらは島北東部の金見(かなみ)集落にあるソテツのトンネル。もともとは防風林として植えられたソテツが、300年~350年という長い年月をかけてアーチになったもの。トンネルの長さは約250mほどで、トンネルを抜けると太平洋と東シナ海を見渡す金見崎展望所があります。

幻のビーチを求めて与論島へ

幻のビーチを求めて与論島へ
与論島きっての美景ビーチ、百合ヶ浜

鹿児島から南へ約560km。鹿児島県最南端に位置する与論島。隆起珊瑚礁でできた、周囲23kmの小さな島には約60ものビーチが点在しています。

白い砂浜にクリアな水を湛えるビーチはどこも美しいのですが、なかでも一度は訪れてみたいのが、“幻のビーチ”と呼ばれる百合ヶ浜!
与論島東海岸にある大金久海岸の沖、約1.5kmのところに、春~夏の中潮から大潮の干潮時のみ出現する砂浜です。海にぽっかりと現れた純白の砂浜のまわりはきらめくクリスタルブルーの海。地上の楽園とはまさにこのこと!
百合ヶ浜出現予想カレンダーは、ヨロン島観光協会のページを参考にしてください。

・URL: http://www.yorontou.info/spot/e000014.html

ウドノスビーチは茶花から近くアクセスもいい
ウドノスビーチは茶花から近くアクセスもいい

残念ながら、百合ヶ浜の出現日程に合わない……。そんな方もがっかりすることはありません。与論島には百合ヶ浜以外にも美しいビーチがいっぱいあります。こちらはウドノスビーチ。細かなパウダーサンドに打ち寄せるエメラルドグリーンの波。ウミガメにも会えるかもしれませんよ!

2kmにわたり白砂のビーチが続く大金久海岸
2kmにわたり白砂のビーチが続く大金久海岸

大金久海岸は遠浅の海が続くヨロン島最大のビーチ。この沖合に百合ヶ浜があり、シーズン中はボートが待機しています。百合ヶ浜に渡らなくてもここでも充分キレイ!シャワーやトイレなどの設備も整っているので安心です。

沖永良部島でケイビングにチャレンジ!

沖永良部島でケイビングにチャレンジ!
ライトアップで美しく照らされる銀水洞 photo:沖永良部島ケイビング協会

ケイビングってご存知ですか?
ヘルメットやヘッドライトを装着し、洞窟を探検するアウトドアアクティビティで、日本ではまだそこまでの知名度はありませんが、じわじわとファンを獲得しつつあります。
そんなケイバー(ケイビング愛好家)たちの憧れの的といえば、沖永良部島の洞窟。沖永良部島の地下には総延長日本第3位の洞窟大山水鏡洞をはじめ、大小約200から300の洞窟があるといわれています。

ときには腰あたりまで水につかって奧へとすすむ
ときには腰あたりまで水につかって奧へとすすむ

沖永良部島では、そのなかのいくつかの洞窟を探検するケイビングツアーが開催されています。当然ながら、洞窟内部は光が届かぬ漆黒の世界。その特殊な環境に適応したわずかな生物のみが暮らし、そこに気の遠くなるほどの長い年月をかけて形成された鍾乳石が連なっています。水着の上にレンタルのつなぎを着て、ヘルメットとヘッドライトを装着したら、洞窟探検のスタート!
さまざまなコースが用意されており、2時間程度で初心者でもOKの「リムストーンケイブ」から、約5時間かけて巨大な鍾乳石の壁を見に行く上級者向けの「銀水洞」など、経験に応じてえらぶことができます。ビーチアクティビティとはひと味違う、洞窟の聖地、沖永良部島ならではの体験に挑戦してみてはいかがでしょうか?

■沖永良部島ケイビング協会
・URL: https://okierabucave.com/

徳之島、与論島、沖永良部島・それぞれに魅力の異なる奄美群島の島々。この夏は気になる島にでかけてみませんか?

「与論島・徳之島・沖永良部島」3島だけの完全ガイド!改訂版が登場です!

祝!世界自然遺産登録 「与論島・徳之島・沖永良部島」3島だけをフィーチャーした完全ガイド。
奄美群島の南部に浮かぶ、与論島・徳之島・沖永良部島。日本有数の鍾乳洞や、日本一のガジュマル、条件が揃ったときにしか姿を現さない幻の砂浜、島の文化として根づく闘牛など、自然とそこに暮らす人々が織りなす風景がそこにはあります。本書は、島に暮らし、島を愛する人々が教えてくれた、とっておきの情報が満載!さらにパワーアップした奄美大島南部をご紹介します。

※当記事は、2022年5月13日現在のものです

TEXT: アトール澄田直子
PHOTO: 吉川昌志、永島岳志

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筆者

地球の歩き方書籍編集部

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